ユーフォニアムとの出逢い

2019年6月9日、私はMy楽器ユーフォニアムを購入した。

楽経験なし、楽譜も読めなければ音楽理論もわからない。”C”?”ド”じゃないの?という状態からのスタート。家族・親戚にも楽器経験者は誰一人いない(唯一弟が大学でBeat BOX=ボイスパーカッションをやっていた)。楽器の経験といえば授業でやったリコーダーやメロディオン、そんな感じ。音楽に関しては全くの素人だった。

そんな私がいきなり50万もする楽器を買ったのだから思い切ったものだと思う。

今回は、私がなぜユーフォニアムを始めたのか、そしてMy楽器を購入するまでの経緯を書きたいと思います。

 

なぜユーフォニアムを始めたのか。

結論から言えば、自分の人生に「音楽・楽器」という要素を取り入れたかったから。

それが人生を豊かにすると信じているし、“幸せに生きる”という自分の最終目標に繋がると思うから。

そして、楽器選びの過程で 演奏している自分をイメージできたからです。

 

大真面目に言っているのですが、これだけでは伝わらないと思うのでもう少し書き下していきます。

 

―自分の人生に「音楽・楽器」という要素を―

以前から漠然と考えていました。楽器が演奏出来たらカッコいいし、楽しいだろうなぁと。カラオケで歌うのは好きだし、音感やリズム感も悪い方じゃない。でも…いざ楽器をやろうとなると、なかなか踏み出せずにいました。すでにアニメ・声優、バイク、サッカー観戦、ファッションというお金も時間もかかる趣味をたくさん持っていたので、手が回らない気がしていた、というのが大きかったと思います。

そんな状態がずっと続いていましたが、2年前の秋、音楽を自身の仕事に取り入れ頑張っている彼女と出逢ったことがきっかけで、自分の中の楽器をやりたい気持ちが再び盛り上がってきました。彼女は、私の趣味であるサッカー観戦やバイクにも興味を示してくれて、一緒に楽しもうとしてくれる人です。そんな彼女に、私も歩み寄りたいという気持ちがきっかけになったのだと思っています。

近いうちに音楽を始めてみよう、と考えるようになりましたが、この時点ではまだ楽器を何にするかは決めていません。

 

なぜユーフォニアムを?

響け!ユーフォニアム」という作品をご存知でしょうか?

ユーフォニアムを知るきっかけとなった作品で2015年にアニメの第1期が放送されました。今では映画化もされていてとても人気のある作品です。

私も1期放送をリアルタイムで観てこの作品にドハマりしました。どのくらいハマったかと言うと、毎週リアルタイムで放送を観て、直後に気になるシーンを一時停止しながら観て、翌朝もう一回通しで観て、来週の放送まで暇さえあれば観返すというとても普通じゃない観方をしました。1話なんてもう20回くらい観ているんではないかと。引き込まれた要素として挙げるなら、黄前久美子という主人公のリアルさ、高坂麗奈の気高さ、人間関係・感情表現の機微、そして演奏シーンのカタルシス。どれをとっても素晴らしい作品です。

これだけハマったのだから影響されないわけはないですが、当時はユーフォを自分でやるようになるなんて微塵も思っていませんでした。まさかその4年後に自分のユーフォニアムを購入するなんて。

 

さて、そんなバックグラウンドもありながら、楽器を選びの思考過程に入ります。

木管金管、弦楽器、打楽器、鍵盤……色々ありますが、どれも魅力的に思えました。もともと、この楽器がやりたい!ではなく、なんでもいいから楽器がやりたいと思っていたので。

でも強いて言うなら、ドラムにだけは特別な憧れがありました。趣味でよくライブに行きますが、自然とドラムの演奏に合わせて乗っている自分に気づいてから、ドラムって魅力的だなと思うようになりました。演奏する姿もカッコいいなと。ただ、実際自分でやれるかと問われると、まったくイメージが湧かず、練習場所の確保にも苦労しそうだと思い、候補からは外しました。

弦楽器や鍵盤も自分がやれているところをイメージできないという理由で却下。実は中学の音楽の授業で少しギターをやった頃に、1万円くらいのギターを買ってもらい始めてみたのですが、視力が悪くて教本や教則ビデオを見ながら練習できないというしょうもない自分への言い訳とともに挫折しました…笑(この件についてはいまだに両親に申し訳なく思っています。)

ピアノやバイオリンもクラシカルでかっこいいけど、やはり敷居が高いというか、さすがに厳しいだろうと思う部分がありました。

一生付き合う楽器なので、少しでも適性のあるものを選んだ方が楽しく続けられるかなという考えです。

では、管楽器なんてどうだろう。見た目もキラキラしていてかっこいいし好みと一致する。口笛がわりと吹ける方なので、吹く楽器ならいけるのではという安直な考えもありつつ。

管楽器と言って最初に浮かんだのはトランペットやサックスでした。ただ、自分の性格的に他人と違うことをしたいと考えるタイプで、人気の楽器をそのまま選ぶのはしっくり来ません(どうしてもそれがいい!という理由があれば気にしませんが)。試しに色々な楽器の音を動画で聴いてみたところ 「ユーフォの音色って優しくていいな」「自分もこんな風に吹けたら最高だな」と思うようになりました。

彼女にも話をしたところ、「唇の厚さによっても吹きやすい吹きにくいがあるけど、トロンボーンかユーフォあたりは良さそうだね」というアドバイスもあり、自分の中でもこれが後押しなって2択に。

「ユーフォかトロンボーンか…ユーフォかな」

決定打。ありがとう、響け!ユーフォニアム

トロンボーンは家で吹いているといつか壁を破壊しそう…という心配もあり(笑)

こうして書いてみるとなんだか消極的な決め方のように思えますが、自分にとって重大な決定をするときには今回のようなプロセスを踏みがち。直感はあったとしてもそこに自分を納得させる理由付けをしたがる性分です。

ユーフォを始めるんだ、と自分の中で結論が出たときはとてもわくわくして、今すぐ行動したい!と思ったのを覚えています。

 

完璧なタイミング!これって運命では?

さて、私はユーフォニアムの購入を決意しました。さっそく楽器屋に行ってみよう~!

 

……………

 

あれ、ユーフォどこにもないんだけど?

店内をぐるぐる回ってもユーフォらしきものは見つからず。

 

島村楽器ラゾーナ川崎店)で店員さんに話を聞いてみると、ユーフォは普段ほとんど置いてないだって!?

ユーフォって部活でやっていた人ならともかく、社会人で趣味として始めてみようという人は稀のようです。そうなると当然楽器店にもラインナップは揃っていません。(チューバとかもそうですね)そりゃ知名度低いわけだ…(笑)

「フルートやサックスはこんなあるのに…」と思っていたところ

「来月ちょうど金管フェアをやる予定で、今回はユーフォも過去最高クラスの数が揃う予定です!マウスピース選定会も開催するので、ぜひ見に来てくださいね!」とのこと。

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タイミング!!!

しかもありがたいことに無金利キャンペーンまでやってる。

 

「これはもう天が俺にユーフォをやれと言っているとしか思えない!!!」

と非常に都合よく解釈し、その場で参加予約をしました。

最初の候補は、YAMAHAのYEP-621S。

響け!ユーフォニアム作中で主人公の黄前久美子が吹いているモデルの表面仕上げ違いです。

※通常は、YEP-621Sの銀メッキ仕上げですが、久美子が使用しているのはクリアラッカー仕上げです。現実にもYEP-621という型名で特別生産されています。

621S基準で予算は30-40万で考えていました。

 

いざ選定会へ。

2019年6月9日、島村楽器ラゾーナ川崎店へ。フェアを教えてくれた店員さんと楽器のディーラーさんの2人が対応してくれました。

いきなり個室に通されたのは驚きました(笑)(試奏して選ぶのだから、そりゃそうか)

10万円台~150万くらいするものまで、20種類ほどのユーフォニアムがずらりと並んでいました。

その時の写真がこちら。


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久美子がいました。(見切れてる)

 

 

これは選び甲斐がありそう。

まずは基本の持ち方と音の出し方を教えてもらいその通りやってみます。

持った感じ結構大きいし重さも感じる。音はすぐ出ました。

ユーフォで言うチューニングB♭(ド)下のG(ラ)までは出るけど、B♭は掠って音にならない…なるほど、これは確かに簡単ではない。口笛できれば吹けるだろうなんて甘い考えでした。。

それでも「数分でそこまで音を狙えるのは筋が良いですね!」なんて褒められてちょっと舞い上がりつつ選定に入ります。

片っ端から吹いてみてしっくりくる子を探します。音調の違い(まだ一定の音で吹けない自分ではちゃんとわかるわけもないのだが)とか、持ちやすさとかを比べながら吹きました。100万超えのものを吹いたときは誤って落としたらどうしようとヒヤヒヤしたり。

 

ユーフォにはピストンが3つのものと4つのものがあって、ピストン操作と息の調節で音を作ります。ピストンは4つの方が演奏にも対応しやすく価格も高くなります。

一生やる趣味として考えていたので、妥協せずに4番ピストンがあるタイプを買おうと決めました。説明もたくさん聞いて、音色としてもしっくり来たのが今吹いているJEP1120Sです。

JUPITERというメーカー製で、4番ピストンあり、コンペイセイティングシステム搭載。銀メッキ仕上げながらほのかに金色がかったような表面色調です。定価520,000+税のところ43万くらいで購入。お手入れ道具や、家での練習用ミュートとしてYAMAHAのサイレントブラスも併せてトータル48万ほどの支払い…

完全に予算オ―バーで笑いましたが、長く続けるし納得のいく良いものを選べるなら、と決断しました。

練習用のマウスピースとしてBruno Tilzの6 1/2 ALも購入。JUPITERの付属マウスピースよりも初心者には吹きやすくまずはこれで練習すると良いとのこと。

 

ついに念願のMy楽器を手に入れました。

ケースと合わせると10 kg弱あり重いので、帰りはタクシーで家まで運びました。


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初日に撮った写真。ピカピカです。やはり大きいだけあって所有感も相当なもの。たまらないですね。これを吹けるように練習するんだ。

 

こうして、私のユーフォニアムライフが始まったのです。

 

(ブログ 『ユーフォ生活1年目』 に続く)

 

https://youtu.be/vzAqI3APUGw

1周年記念の演奏動画

ここに至るまでの1年間の過程を次回のブログに書きます。良かったら動画と併せて観てもらえると喜びます。